第64話シジュウカラをたたく

「シャーロット、あんた本当に運がよかったわね。あの厄介ごとから、よくまあうまく逃げおおせたものだわ」デイジーは言った。声にはねっとりとした皮肉が滲み、数日前の出来事をあからさまに指していた。

「うん、私ってそういう星回りみたい。お褒めにあずかって光栄だわ、デイジー」シャーロットも負けじと刺を返し、怒りで頬がかっと熱くなる。

ジェームズがシャーロットを助けたこと、そして二人はもう関係を持ってしまったのではないか――そんな想像が、デイジーの中で黒い衝動となって膨れ上がり、シャーロットを引き裂きたくてたまらなくなった。

何年も、デイジーはジェームズの婚約者でありながら、彼は一度も手を出さなかっ...

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